脇汗を抑えるための注射薬はボツリヌス菌から作られます。

脇汗を抑えるために注射されるボツリヌストキシンは、その名前の前半部分から連想されるようにボツリヌス菌、正確にはボツリヌス菌から分泌されるタンパク質を生成して作られるものです。
ボツリヌス菌は古い歴史を持つ成分で、発見されたのは1895年のことです。最初にソーセージから発見されたのがだったためラテン語でソーセージの意味を持つボツルスという単語をもじって命名されました。ボツリヌス菌が分泌するタンパク質は神経毒で食中毒の原因となり、体に取り込むと筋肉の麻痺を引き起こします。それを外がなくなるように生成して医療のために使用できるようにしたのがボツリヌストキシンです。1970年代後半のアメリカで治療に初めて使用されました。現在では顔面の痙攣や脳梗塞などで手足の筋肉が突っ張って動かなくなった患者に対し、患部に注射することで、筋肉を緩めて症状を緩和する治療に使用されています。日本国内で認可されているのは、7種類あるボツリヌス菌のうちA型と呼ばれる菌のタンパク質から生成されるものが使用されています。

副作用を応用してシワ取り薬に

ボツリヌストキシンにはある副作用があります。それは注射したあとに引き起こる皮膚のたわみです。これに着目したのが美容外科の業界です。副作用をシワ取りに応用した治療がボトックスとして美容業界で流行しました。ボトックスというのは実はボツリヌストキシンの商品名です。皮膚の下にある筋肉が緊張し続けることによって引っ張られた皮膚がシワになります。ですからその筋肉にボトリヌストキシンを注入すれば筋肉が緩み、眉間や目尻の表情シワがが目立たなくなります。ボトリヌストキシンは取り扱いに専門知識が必要で、講習を受ける必要があります。きちんと治療の認定を受けた専門医のいる病院を利用してください。

最近になって多汗症にも利用

もう一つの副作用である、発汗の抑制を多汗症の治療薬として認可されたのは2012年です。この年に重度の原発性腋窩多汗症のために保険適用が認可されました。脇汗の抑制に使用する場合にも講習が義務付けられており、専門のお医者さんによる治療を受けてください。これまで語ってきたボツリヌストキシンで国内で厚生省の認可が取れたのは1種類だけです。いずれの治療にせよボトリヌストキシンを使用する治療ではこの国内産のものを使用している病院を選んだほうが安全です。

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